
沖縄の土を喰らう 「地料理・旬菜 土香る」
「沖縄のグルメ」と聞くと沖縄そば、チャンプルー、タコライスなどを想像する人も多いかもしれない。もちろんそれぞれ美味しくて魅力的ではある。
思う事は人それぞれだが、何を隠そう。
私が沖縄に移住してまず一番感動したのは沖縄の「野菜」だった。
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「沖縄のグルメ」と聞くと沖縄そば、チャンプルー、タコライスなどを想像する人も多いかもしれない。もちろんそれぞれ美味しくて魅力的ではある。
思う事は人それぞれだが、何を隠そう。
私が沖縄に移住してまず一番感動したのは沖縄の「野菜」だった。
小さく可愛らしい茶器をそっと鼻に近づけるとえらく甘い、なんともミルキーな香りが漂ってきた。
お茶なのにミルキーな香りがするので戸惑っていると、
「それ、乳香っていうんです」と店主の山内さんが教えてくれた。
まず気になったのがプリントアウトされたメニューブック。
今まで散々外食をする中で、いろんなメニューブックは見てきたつもり。
モダンでかっこいい強面なメニュー、ミニマリストすぎて内容が分かりづらいメニュー、料理人の腕っ節が伝わる筆遣いのメニュー、繊細で素朴な手書きメニューなど、メニューブックにも多種多様な性格が見受けられる。
沖縄に来てからコーヒーを丁寧に飲み始めた気がする。東京にいたときは寝ぼけ眼で、ただただコーヒーを求めていた。こんなことを言ったらコーヒー好きの方々にゲンコツされるかもしれないが、もはやカフェイン強めなコーヒーであればよかったのかもしれない。気候のせいか味覚が少しずつ変わってきて、それを最初に感じたのはコーヒーの好みが微妙に変わってきたことだった。体の変化が顕著に現れる味覚。
とにかく沖縄で一番美味しいと思ったパスタの話がしたい。
フラッシュバックのように思い出してしまうあの食感。
噛み締めるたびに反抗してくる麺を歯で射抜くあの快感。
沖縄の日差しは容赦無い。
ジリジリと突き刺してくるような勢いなのに、そのくせ雲が太陽を隠すと突然体感温度が下がる。
とにかくそのギャップがすごい。
人は昔からいろんな手法で自らの思考や感情、感覚を表現をしてきた。
それは五感のいずれか、いずれをも満たし、風習も取り込む。
ぼーっと雲の動きを目で追いながら深呼吸をする。
鼓膜が水の中で音を柔らかく遮断してくれている。
指先まで体の全ての力を浮力に委ねる。
自分の呼吸しか聞こえない。
ゆっくり目を閉じると私は海と一つになった気がした。
あははは!と笑いながら大事なことをサラッと言ってのけた。
「あぁ、生きていることを楽しんでない!今、私死んでるかもしれない!モノを作りたい!って思って」と気持ちよく笑った。
そうニコニコと木工芸に携わるきっかけを語るのは平安山さん。
「平と米の制作所」の「平」担当だ。
「やっぱり犬を飼ってる人にとっては1日でも長く生きてもらうことがなによりなんです。」
すっぽりと心に入った一言。
那覇から糸満へ車で25分ほど走らせると、また少し景色が変わってくる。漁師の町「糸満」はなんだかマルセイユのような荒々しさもあるが、アットホームさも兼ね備えたカルチャーが面白い。
「ふと立ち止まって、自分の暮らしを考えてこれから5-10年仕事を続けていく中でどういう生き方をしていきたいかな。」と自問自答した。