このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

職人技光る手描き看板の 「HAND SIGNPAINTERS」

職人技光る手描き看板の「HAND SIGNPAINTERS」

NEWS

Read More

「もっと沖縄を大事にしないとなって感じるんです」

「沖縄を訪れた人が沖縄のこと好きで、大事にしてくれてるのを見ると、沖縄出身の私たちも、もっと自分達が大好きだと思っている沖縄について考えたり、行動したりしたいと思うんです。」

その言葉は重苦しくなく、率直で、誠実な言葉だと思った。

なんだかそれは「自分をもっと大事にしないと」と言っているようだった。

自分を大切にすれば自然と周りも大切にできる。

そうなんだよなぁ。

今日はそんな気づきをくれた素敵な夫婦のお話。

真心のこもった夫婦に出会った。

手描きの看板職人のお二人だ。

沖縄にいると壁に直描きの看板を良く見かける。

独特だなと思っていたが、そもそも台風も多く、コンクリの建物が多いからだろう。

潮風による塩害の被害も考えられるし、湿気の問題もあるためコンクリがベストなのかもしれない。

そんな憶測を勝手にしていたが、どうやらお話を聞いているとアメリカ世の名残もあるようだ。

「昔の沖縄の雰囲気が好きなんです。」

そういうとお互い確認するかのように玉城夫妻は顔をほころばせた。

アメリカの古い文化と沖縄文化が融合しミックスカルチャーが街中に現れていた時代。

カタカナや英語の看板が至る所に溢れていたそう。

そもそもサインペインティング(看板描き)は1980年代頃までアメリカやヨーロッパで主流であったペンキやブラシで手描きで看板や標識を描く技法の一種らしい。

古き良きアメリカの街並みには欠かせない要素だったが、沖縄にもそのカルチャーが浸透した。

「サインペインティングとピンストライピングの技法を使って看板を製作しています。」

ここは中城村にある手描きの看板やデザイン製作している 「HAND SIGNPAINTERS」のアトリエ兼ショップSeaside HOLIDAYS。看板だけでなくロゴやパッケージデザインまで幅広くこなす。

入ってすぐに大きなモーターサイクルや自転車などが目に付き、さらに格好良いデザインや年代物のインテリアが壁一面に飾ってある。不思議と統一感があって圧倒される。

この「ピンストライピング」とはカスタムカルチャーに紐付き、特殊な筆を使ってフリーハンドで車やバイクに細いラインで装飾を施したり、レタリング(文字描き)を行う技法なんだそう。

お祝儀を書く時ですら手ブレする自分としては、車にフリーハンドで描くことなんて到底考えられない。

相当な集中力がないと成り立たないだろう。

元々那覇でペインターとして活動を行なっていたヨシさん。

中城にアトリエ兼ショップをオープンしたのは2018年の時。

高校生の頃、那覇にカスタムカルチャーを発信するお店があり、イベントなどが開催されるたびに、通っていた。その時に筆をもらってから独学でずっと描くことを続けているという。

絵を描くのが小さい頃から好きだったそう。

「上手い下手は置いといて絵を描く事が好きでした。学校もデザイン科に通っていましたが自分より絵が上手な人ばかりでしたね。」そう言うとはにかんだ。

「文字を描くのも好きでしたね。文字で表現することは難しいですが純粋に面白いです。」

ユミさんと目を合わせると納得するように言った。

文字には視覚的要素だけでなく言葉自体の意味合いが混じってくるので、それをフォントに落とし込みイメージを膨らませるのは至難の業。

「フォントにも年代によって特徴があるので、打ち合わせではイメージを聞いたり、少しずつ掘っていく作業が必要なんです。好きな音楽とか、映画、車とか雑談からその人の好きなものを聞いて紐解いていく感じですね。」とユミさん。

「昔の沖縄はアメリカの車だらけで、英語のサインが多かったんですよね。県外と比べるとアメリカにはすごく近い部分があるから。」

歴史を振り返ると様々な意見などもちろんあるが、チャンプルーカルチャーは存在する。

良くも悪くも全てが文化として吸収されているのだ。

小さな時から新しい文化にさらされ、さらにそのカルチャーを自分たちのものにしていく、そして個々の経験や想いなどが彩り、沖縄らしさとなって活きてくる。

「以前は海外に憧れ、真似したいという気持ちがあったけど、実際にアメリカに行ってみて漠然としていたものが明確になったんですよね。あれ、私たちこんないい所にいた!って。」

「沖縄を再確認したんです」そういうと二人とも満面の笑みがこぼれた。

沖縄らしさ、自分らしさ、どうやって表現していこう。

「それは常に模索中ですね。」

見合わせながら爽快に笑うお二人の間にはお互いがいるからこその絆が見てとれる。

「昔の沖縄の雰囲気が好きなので、そこにオリジナリティーも入れて、日々探しながら進化していきたいと思います。」

驚きを隠せないがユミさんは元々高校教師だったそう。

ヨシさんがサインペインティンターという職業一本で生きていくことを全面に受けとめ、導いてくれる一番の理解者だ。

「特に広告とか出してるわけでもなく、人と人との繋がりでお仕事をさせて頂いているので、こういう機会を与えてもらえていてとてもありがたいです。」

恩返しはこの仕事を続けることしかできない。

って彼が言ったことがあってとユミさん。

「15年以上この仕事を続けてきてやっと環境が整ってきたように思います。続けるってすごいなって思って。めげずに続けているといつか努力が実を結ぶということを側で見ていて実感しました。」

こちらのアトリエ兼ショップではドリンクスタンドとしての機能もあり、日本茶を中心とした様々なお茶を提供しているという。

ユミさんが中国茶や日本茶を勉強していた事もあり、夫婦でお茶が好きなんだとか。

実は沖縄は世界も認める高品質の「琉球紅茶」の産地。

ティーベルトゾーンに位置している沖縄は、特有の赤土も紅茶栽培に適しているという。

丁寧に淹れた和紅茶の美味しさをぜひ体験してほしい。

そんなお二人の世界観が詰まったお店。

アトリエ自体も隅々まで格好良いので、作品を見るだけでもインスパイアされる事間違いない。

ドリンクスタンド自体は不定期でオープンしているため、事前にインスタグラムで最新の情報を確認してから行くことをお勧めする。

沖縄に訪れた時にはぜひ普段気づかなかったかもしれない「看板」にも注目してみてほしい。

新しい発見がそこにあるはず。

Photo by Makoto Nakasone

Text by Michiko Nozaki

インスタグラム情報

@hand_signpainters

@handsignpainters_lifelog

店舗情報

住所 〒901-2401 沖縄県中頭郡中城村久場2−11

@seasideholidays_okinawa (アトリエ兼ショップ)

Related Article

CREATIVE JOURNEY

CREATIVE JOURNEY

FOOD

VOL.4 VOICE BY CHAMPLU CREATIVE MEDIA

-旅の可能性が広がるホテル

私たちにとって旅ってなんだろう。
旅は自分自身をもっと知るきっかけをくれる。
そんなきっかけは心を豊かにしてくれるのだ。

自身への思いやりがホテルのおもてなしと重なりその土地の魅力へと繋がる。
はじめましてなのに、はじめましてじゃない。
それはずっとここに建っていたような安心感。
Southwest Grand Hotelはそんな魅力がシティにいながら感じられるホテル&レストラン。
一つ上の寛ぎに心を委ねて。
ローカルに溶け込みながら少しだけ非日常を体験する。

旅上手なゲストを迎えてそれぞれの「旅」についてお話を聞いていくシリーズ。
第四回目のVoiceはCHAMPLU CREATIVE MEDIAがお届け。

CREATIVE JOURNEY

CREATIVE JOURNEY

NEWS

VOL.3 VOICE BY TAMAO&DAVID
ライフコーチ/マーケティング プランナー

-旅の可能性が広がるホテル

私たちにとって旅ってなんだろう。
旅は自分自身をもっと知るきっかけをくれる。
そんなきっかけは心を豊かにしてくれるのだ。

自身への思いやりがホテルのおもてなしと重なりその土地の魅力へと繋がる。
はじめましてなのに、はじめましてじゃない。
それはずっとここに建っていたような安心感。
Southwest Grand Hotelはそんな魅力がシティにいながら感じられるホテル&レストラン。
一つ上の寛ぎに心を委ねて。
ローカルに溶け込みながら少しだけ非日常を体験する。

旅上手なゲストを迎えてそれぞれの「旅」についてお話を聞いていくシリーズ。
第三回目のVoiceはパワーカップルTAMAOさんとDAVIDさんのお二人。

CREATIVE JOURNEY

CREATIVE JOURNEY

NEWS

VOL.2 VOICE BY DAISUKE NAKAMURA
ピッツァ職人/オーナー

-旅の可能性が広がるホテル

私たちにとって旅ってなんだろう。
旅は自分自身をもっと知るきっかけをくれる。
そんなきっかけは心を豊かにしてくれるのだ。

自身への思いやりがホテルのおもてなしと重なりその土地の魅力へと繋がる。
はじめましてなのに、はじめましてじゃない。
それはずっとここに建っていたような安心感。
Southwest Grand Hotelはそんな魅力がシティにいながら感じられるホテル&レストラン。
一つ上の寛ぎに心を委ねて。
ローカルに溶け込みながら少しだけ非日常を体験する。

旅上手なゲストを迎えてそれぞれの「旅」についてお話を聞いていくシリーズ。
第二回目のVoiceはBACARオーナー兼ピッツァ職人のDAISUKE NAKAMURAさん。

Translate »